コーヒーを飲む人にとっては欠かせないのがインスタントコーヒーの存在。家庭でも職場でもお湯を注げば簡単にコーヒーを楽しむことができます。
しかし、近年ではインスタントコーヒーとは似て非なるものとしてレギュラーソリュブルコーヒーというものがあるのを知っているでしょうか?
レギュラーソリュブルコーヒーとは何?
レギュラーソリュブルコーヒーとはどういうコーヒーなのか?を語る上では、コーヒーブランドのトップであるネスレの存在及びネスレと全日本コーヒー公正取引協議会を初めとする業界団体との対立が無視できません。
通常、コーヒーは挽いたコーヒー豆をドリップなどして飲む「レギュラーコーヒー」と抽出液を乾燥させ粉末状にした「インスタントコーヒー」に大別できます。
長い間不変であったこの基準の中でネスレが新たに打ち出したのが、微粉砕したコーヒー豆と抽出液を混ぜ合わせた新製法「挽き豆包み製法」によるレギュラーソリュブルコーヒー。インスタントコーヒーよりもよりレギュラーコーヒーに近い味と香りを楽しめるものとして、ネスレはこのレギュラーソリュブルコーヒーの呼称を使い始めたのです。
ネスレ側の主張をそのまま真に受けると、レギュラーソリュブルコーヒーとは、今までのインスタントコーヒーよりもより一層本物のコーヒーの味わいに近づいた新ジャンルのコーヒーであると言えます。
ネスレのホームページでは、以下のように説明しています。
豊かな自然の恵みに育まれ、真っ赤に熟した“コーヒーチェリー”。そこから生まれるコーヒー豆を丁寧に焙煎し、その豆を細かく粉砕、ネスカフェ独自の抽出液で大切に包み込むことで、豆の酸化の原因となる空気との接触を抑えます。
簡単に言ってしまえば、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの中間に位置するもの。もしくは、インスタントコーヒーの進化版。
味はいいけど淹れるのが面倒なレギュラーと、味はいまいちだけど簡単に淹れられるインスタントという図式があるとすれば、味も良くて簡単に淹れられるようにしたのがレギュラーソリュブルコーヒーということになります。
しかし、このネスレの主張と関連業界団体の主張は食い違います。ネスレはこの製法は画期的でインスタントコーヒーとは別物だという主張であったのですが、業界団体は結局はインスタントと同様であるとしてレギュラーソリュブルコーヒーの名称を認めなかったのです。結果的にネスレは全日本コーヒー協会を初めとする各団体を脱退することになり、以後、孤立しながらも独自の戦略を取ることになったのです。
レギュラーコーヒーとは違う。間違えて買わないように気を付けよう!
ネスレのこの戦略により登場したレギュラーソリュブルコーヒーはコーヒー業界を震撼させただけではありません。私たち消費者側にも影響が出ました。
インスタントコーヒーの呼称を止めレギュラーソリュブルコーヒーという呼称を採用したため、間違えて購入してしまったというトラブルも発生しています。
レギュラーと銘打っているため、通常のレギュラーコーヒーと勘違いする消費者も多くいたようです。
あくまでも、レギュラーソリュブルコーヒーはインスタントコーヒーの進化版と捉えましょう。決してレギュラーコーヒーではありません。
それともう一つ。
自身もコーヒーは良く飲むほうで、1日あたり最低でも2~3杯は嗜んでいます。
カフェでも飲みますが、自宅の場合は手っ取り早く飲みたいのでもっぱらインスタントコーヒー。
しかし、何度か間違えてレギュラーコーヒーを購入してしまったことがあります。家にフィルターもドリッパーも無いので1杯も飲むことなく未だに家のどこかに眠っていることでしょう。
素人には、見た目ではレギュラーもインスタントも判断が付かないので、同じような失敗をしてしまった人もいるのではないでしょうか。
私のように家で飲むコーヒーはインスタントで十分と考えている人は、商品名称をしっかりと確認しましょう。
インスタントコーヒーもしくは、今回のレギュラーソリュブルコーヒーと書いてあれば大丈夫です。
お湯で溶けてすぐに飲めますよ。
レギュラーソリュブルコーヒーを検証
それでは、実際にネスレのレギュラーソリュブルコーヒーを味わってみましょう。
と言っても、普段飲んでいたコーヒーがまさしくネスカフェのゴールドブレンドなので、すでにたくさん飲んでいたわけですね。
ですので、インスタントコーヒーとの違いを比べつつ、レギュラーソリュブルを意識しながら飲んでみます。
まずは、粉末の商品自体を比較。
下の画像をご覧ください。左がネスカフェゴールドブレンドのレギュラーソリュブルコーヒー、右はUCCのTHE BLEND117のインスタントコーヒーです。
粉末状の状態では、インスタントと特に大きな違いは見えません。微粉砕にしたというコーヒー豆自体もこの状態で確認することは出来ませんでした。
ゴールドブレンドをカップに入れお湯を注ぎますが、お湯を注いだ際の溶け方も正直インスタントと変わりありません。
味については、他メーカとは比べようがないので、これじゃあ検証も何もないなぁと思っていたのですが、商品を見てみると面白い発見が。
「飲み終わったコーヒーカップの底にはクレッセント(三日月)が描かれます!」
レギュラーソリュブルコーヒーの特徴として、飲み終わりに細かく砕かれたコーヒー豆が三日月のようになるとのこと。
なるほど、そんなこと今まで意識して見たことはなかったですが、クレッセントが描かれるかどうか楽しみにしながらコーヒーを堪能します。
そして、飲み終わり。
まったく出来ませんでした・・・
クレッセントの影も形もない。
クレッセントはコーヒーの量、時間、カップの形状によって影響されるようです。
まとめ
レギュラーソリュブルコーヒーとはネスレが開発した新製法のコーヒー。決してレギュラーコーヒーではなく新しいインスタントコーヒーの形と覚えておけばよいでしょう。
ネスレにはインスタントコーヒーという概念はないこと、そしてそれに起因してネスレはコーヒー業界の中で孤立状態にあること。
ちょっとした豆知識としていかがですか。
とは言え、こうして自宅でも簡単により美味しいコーヒーが飲めるようになってくれるなら、我々コーヒー中毒者としてはありがたい限りです。
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