昔からよく「早食いをすると太る」と言われていますよね。私も幼いころ親に「よく噛んでゆっくり食べなさい」と注意されたものでした。(残念ながら現在も早食い傾向にあります…)
では、なぜそのようなことが一般的に言われているのでしょうか。早食いが太るという根拠はあるのでしょうか。
早食いはなぜ太るのか?
早食いがなぜ太ることに繋がるかというと、一つの理由としては満腹中枢が刺激されて“お腹がいっぱいだと感じる前”に沢山の物を食べることができてしまうからです。そのため早食いが余分な栄養素(カロリー)の摂取にも繋がり、太ることに繋がってしまうのです。
食べる量が増えるということは、塩分の過剰摂取など“太る”ということ以外の健康面でもよろしくなさそう。他にも、早食いで喉に詰まらせて死に至るという事例も実際にあります。
ゆっくり食べる方がエネルギー消費量が多い
また、東京工業大学大学院の研究所からは早食い時に比べ、ゆっくり食べる方が食後のエネルギー消費量が増加するという実験・研究結果も発表されています。
東京工業大学大学院社会理工学研究科 | ゆっくり食べると食後のエネルギー消費量が増えることを発見
食べる速さが消費エネルギーにも関係しているとは…。
早食いの人はBMIが高い傾向
厚生労働省の健康情報サイトでも「早食いと肥満の関係」についてまとめられていて、食べるのが早い人ほど現在のBMIが高い傾向にあり、BMIの増加量も高いことが統計的に認められるそうです。
厚生労働省 | 早食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」
“太る”ということについては、食事内容や運動、体質、環境などのその他の要因も多くあるため、早食いが必ずしも肥満に直結するというものではありません。
しかし、先にお伝えしたような実際の研究結果等からも証明されているのが早食いは太る傾向にあるということなのです。そうなってくると無視はできませんね。
自分が早食いだと思っている人は全体の約5割、早食いを直したい人は約3割
そこで、ハレルヤ編集部で一般のモニターの方に「自分は早食いだと思うか?早食いを直したいか?」というアンケートを取ってみました。その結果がこちら。
まず、「自分が早食いだと思うかどうか」については、約49%の人が「自分は早食いだ」と自覚していることがわかりました。
そして、自覚していてなおかつ「早食いを直したいと思っている」人は全体の約30%という結果に。健康に良くない、ダイエットしたい等の理由で直したいとは思いつつも、直せていない方が30%もいるんです。早食いのほとんどが、生まれてから長い年月で培われた習慣のようなものですからね。
直さないとなぁと思うだけで終わってしまったり、直そうと意識し始めても気付いたら元のスピードに戻ってしまったり…。軽い意思ではなかなか直すのは難しいのでしょう。
テレビなどでも度々紹介されているダイエット専用箸『痩せ箸(やせばし)』を使ってみた
そんなある日、ハレルヤ編集部に届いた一通の小包。開けてみると、テレビなどで度々紹介されている“早食いを防止する”ダイエット専用お箸『痩せ箸(やせばし)』のサンプルが入っていたのです。
丁度ダイエット中で、私自身が早食い傾向にあることから、実際に使ってみることにしました!
『痩せ箸(やせばし)』とは?
痩せ箸は、お箸の先端部分に柔らかく曲がる特殊素材エラストマーを使用し、肥満の元である「早食いを防止する」ダイエット用お箸。痩せ箸を使うことで、食べ物を切る・はさむ・運ぶという食事の一連の動作に時間がかかり、早食いを防止してくれるという商品です。
▼よくある大きさのお箸。持った感じも普通のお箸と変わりません。真ん中から色が変わっていますが、先端からこの部分にかけて曲がる素材になっています。
▼試しにテーブルに押し当ててみると、グニャッと曲がりました!すごい柔軟力です。先端の辺りが一番よく曲がります。
▼グニャリ。結構曲がるので折れないか少し心配になりましたが、耐久力が結構ありますね。普段使いではそうそう折れないでしょう。
痩せ箸で牛丼を食べてみる
▼吉野家の牛丼を買ってきたので、早速痩せ箸を使って食べてみます。
具やご飯を一気につかめない
▼あれ?全然つかめない!いつも使っている箸の要領でつかもうとしても、先端がご飯や具の重さに耐えられず、痩せ箸からこぼれてしまいます。急いで持ち上げても勢いでこぼれてしまうため、お箸の扱いがゆっくり丁寧になります。
▼ご飯もつかめてこんな感じ。一気にある程度のお米と、お肉を口に運ぶのは無理です。かろうじて多く掴めたとしても口に持っていくまでにこぼれることも。
咀嚼回数が増える
早食いになってしまう方の傾向として挙げられるは、咀嚼回数が少なく、さらには口寂しくならないよう常に口に食べ物を入れていること。そういう方も多いのではないでしょうか。
あまり噛まずにすぐ飲み込んで、無くなると同時に食べ物を口に運ぶ。その結果食べることが早くなってしまっていると思うのです。
しかし、痩せ箸の場合そうはいきません。いつもの咀嚼回数で飲み込む事はできますが、すぐに口に食べ物を運ぶ事ができないのです。でも口寂しさを満たしたいのは変わらない。そうすると、次に食べ物を掴んで、口に運ぶまでの間、今口に含んでいる食べ物を飲み込まずに噛んでいる必要があります。
私は痩せ箸を使っている間、咀嚼回数が増えました。
手がかなり疲れる
痩せ箸で食べているうちに、親指の付け根あたりに乳酸がたまったような疲れが…。掴みにくいあまり普段より力が入ってしまっているからか、かなり疲れが溜まってきます。
▼その結果お箸を置くことに。
そして4分の3位食べ終わっている↑の写真の時点でいい感じにお腹がいっぱいになっていました。これ、牛丼並盛りです。
咀嚼回数が増えたこと、普段より食べている時間が長いことから満腹中枢が刺激されてお腹がいっぱいになってきたのだと思います。(食べ疲れたという精神的ダメージもあるかもしれません笑)
▼16分ほどかかってようやく完食。普段より3倍くらいの時間がかかったと思います。痩せ箸すごい、そして疲れる…。早食い防止効果は抜群です。
製作者の方が痩せ箸を使って牛丼を食べる動画をアップしていますので、見ていただくとイメージがつかみやすいかもしれません。
▼ちなみに、ラーメンも一度に少しの麺しかすくえません。
痩せ箸でおでんを食べてみる
次はおでん。
▼まずはしらたき。ねじってあるのでそこが重りになって、持ち上げようとしてもスルスル滑っていきます。なかなかうまく食べれず、お皿を顔付近に持っていって少しずつ食べました。
▼大根。もちろん持ち上げるのは無理なので、小さく切ります。切れないことはないですが、先端が曲がるので切るのも一苦労。時間がかかります。
▼4分割でなんとか持ち上げられる重さに。
▼たまご。切ろうにも滑って切れない!笑 何回やってもたまごが逃げるので、やりたくなかったですが最終手段。痩せ箸を上から突き刺してかぶりつきました。
▼がんもも大根と同じく四等分に。がんもの方が切りやすかったです。
▼ちくわぶ、超曲者。滑るので大根のように挟み込んで切る事ができない。箸を閉じて二刀流切断でなんとか刻みました。
痩せ箸を使っていると、食材や料理によって食べる難易度が全く違います。新しいものを食べる度に新たな手法を試し、挫折、成功を繰り返します。奥が深いです。
お箸のマナーを学べる「マナー豆(マナービーンズ)」 vs 痩せ箸
▼ハンズやおもちゃ屋さんなどに売っている、お箸のマナーを学ぶゲーム「マナー豆(マナービーンズ)」を買ってきて、痩せ箸で試してみました。
付属の箸と、痩せ箸でどちらが早く全ての豆をお椀に移せるかタイムを測ります。
まあこんなもんでしょう。
▼次は痩せ箸。
なんと、痩せ箸の方が約2分もタイムを短縮しました!後攻が痩せ箸ということで、マナー豆に慣れたというのもあるかもしれませんが、付属箸より滑りにくかったためスムーズに豆を運べてタイムを短縮できました。マナー豆は重さがあまりないので、普通にすらすら掴むことができます。
痩せ箸は食べ物を滑らせて食べにくくするだけの単純な製品ではなく、箸の最低限の機能は維持しつつ、大量に持ち上げられないよう重さで抑制できている製品だということが今回のマナー豆の実験でわかりました。
さいごに
早食い行動は以下の3点が主な原因でしょう。
- 一度に取る量が多い
- 食べ物を口に運ぶ間隔が短い
- よく噛まない
痩せ箸を実際に使ってみて、これらの原因を改善に導いてくれる商品だと感じました。意思だけでは上手く続けられない人はお箸を変えるだけで嫌でも早食いができなくなります。「早食いを直したい、でもなかなか直せない」という方は一度試してみる価値はありそうです。
要望としては、痩せ箸は現在ブルーとピンクの2色ですがMY箸として外食に持っていくのは少し恥ずかしいです。全体の色を統一して黒や白、木目などシンプルなカラーの痩せ箸があると、外食時のMY痩せ箸として使いやすいかなと感じました。
また、早食い防止の為といえ、おでんのたまごのように現状だとどうしても正しい箸の使い方では食べることができない料理や食材が出てきてしまいます。一口サイズにしたい時に、もう少し切りやすくなるか、切るための仕掛けがあれば文句ないですかね。
家だけの使用になると思いますが、しばらく痩せ箸生活を続けてみたいと思います!
ちなみに、元々123kgもあった痩せ箸の製作者は、400日(13ヶ月)間、痩せ箸を使ってダイエットした結果68kgまで減量。なんと、-55kgのダイエットに成功したそうです。当時のダイエットの記録はこちらに掲載されているので、ご参考にどうぞ!
【調査概要】
調査方法:ドリームニュースモニターアンケート
対象:日本全国20~70代男女422名
調査期間:2017年3月23日~2017年3月31日