8月を以ってついに旧ヤマザキナビスコが国内で製造していたリッツが終了となった。
もうすでに旧リッツを手に入れることは至難の業となっているが、新たに旧ヤマザキナビスコはヤマザキビスケットと社名を改めルヴァンという新商品を投下、さらにモンデリーズ・ジャパンが9月12日より新リッツの販売を開始した。

前回のリッツ記事でも書いたが、モンデリーズ・ジャパンから発売された新たなリッツはインドネシア工場での製造となります。国産ではなくなるということにだいぶショックを受けたリッツファンも非常に多かったのではないだろうか。

ということで、今回はこの3つのクラッカーを食べ比べてみました!
旧リッツと新リッツとルヴァン、食感や味にどんな違いがあるのかを比較してみたので、購入する際の一つの参考にしていただければと思います。
がっ!初めに言っておきますけど、個人的主観で本当に素直に感じたままの感想で評価させていただきます!!

それぞれの原材料の違いは?

味を比べる前に、まずは原材料の違いをみていきましょう。

写真は、左からルヴァン、真ん中が旧リッツ、右が新リッツ。
まず、ここを見て最初に目に飛び込んでくるのが「本製品に含まれているアレルギー物質」の欄。
ルヴァンと旧リッツが「小麦」だけなのに対し、新リッツには「小麦・大豆」とある。原材料の欄を見ると、確かにレシチン(大豆由来)との表記が。

レシチンとは脂質の一種であり、これが味にまで深く影響しているのかは未知数だが、もし大豆アレルギーのある人は気を付けなければいけません。今までのリッツは平気だったが、新しいリッツは大豆アレルギーの人は注意しないといけない食品になったのだ!

他に注目すべきポイントは、ルヴァンの原材料に書かれている「ライ麦粉」。
新たなスタートを切ったヤマザキビスケットの渾身の自信作ルヴァンにはライ麦がっ!ライ麦は一般的には香りが強く、少し酸味があることで知られています。
注意書きの箇所にも、「製品中の黒い粒はライ麦です・・・」と書いてあることからも、味にも相当な変化をもたらしていると推測できるでしょう。

製造に関しては、情報通り新リッツはインドネシアとなっています。ルヴァンは茨城県古河市で国内生産を引き継いでいますね。

新リッツと旧リッツとルヴァンを食べ比べ

まず、その見た目を比較してみると、もちろんルヴァンは形が違うのだが、何よりもクラッカー自体の色目が違うのが分かります。
ルヴァンと旧リッツは色目がほどなく似ていて、きつね色にこんがり焼きあがっているのに対して、新リッツ(写真右)だけが他に比べ色目が薄いのが目にも明らか。

さらに裏面にも違いが見て取れます。
ルヴァンと旧リッツはボコボコとした焼き目がついているが、新リッツのほうはかすり柄のような細かい焼き目がついている。

前置きが長くなりましたが・・・問題なのはやっぱり味でしょう!
3種類すべてを食べ比べてみた結果を食感、塩気、味わいの3項目で分けてみていきます。

【食感】
今回の比較で最もその違いが顕著に表れたのがこの食感かもしれない。いや間違いない。
旧リッツを基準にして考えたときに、ルヴァンはもっとしっかりした歯ごたえを感じることができます。今までのリッツに比べると、どっしりとした重厚なクラッカーに。
そして、何より驚いたのは新リッツの食感の軽さ。口に入れた瞬間にシャクシャクっとほどけるくらいの軽さになっています。

重め ルヴァン>>旧リッツ>>>新リッツ 軽め

【塩気】
これは、クラッカー一つ一つでブレができてしまうため、ある程度の結論を出すのに複数人で何枚ものクラッカーを食べることになりましたが、総じて言えるのは新リッツよりも旧リッツのほうが塩気が強かったということ。
モンデリーズが新リッツは日本人に合うように改良したと発表している通り、より軽くする中でそれに合わせて塩気も少し抑えたのかもしれません。

強め 旧リッツ≧ルヴァン>新リッツ 控えめ

【味わい】
ここでいう味わいとはクラッカーとしての小麦の味や香りの強さのことである。美味しいかどうかではない。
味わいにおいて最も差が出たのはやはりルヴァンだ。
先ほど原材料でも見た通り、ルヴァンだけはライ麦が使用されている。そのせいか、一番味が濃く香ばしく仕上がっている。
新リッツは、味わいだけで見たら旧リッツとそれほど大きな変化は感じられないのではないだろうか。

深い ルヴァン>旧リッツ≧新リッツ 軽い

【総評】やっぱり旧リッツに軍配を上げざるを得ない。

今回の食べ比べ、正直なところそれほど差を感じることができないのではないかと思っていたのですが、思いのほかそれぞれの特徴と違いを実感できる結果になりました。

結果的に、個人的に一番美味しく感じたのは・・・
「やっぱり断トツで旧リッツだ!」

単純に慣れ親しんだ味だからかもしれないが、旧リッツは言うなれば「超バランス型の万能プレーヤー」。
食感も味もバランスがとてもよく、何かを乗っけてオードブルにしてもいいし、何よりもそのまま食べても飽きない。これは新リッツやルヴァンにはまだまだ及ばないのではないかと感じる。

ルヴァンは旧リッツよりもより重くなり、味も香りも強くなった。
逆に新リッツは食感も味わいもより軽くなった。
それぞれが特徴を打ち出して差別化を図る中で、正直旧リッツという伝統を受け継いだ味を残してほしかったという気持ちも捨てられない!

しかし、今後クラッカーを買うときは、ルヴァンと新リッツで選択することになるわけで・・でももう、あのリッツは残念ながらどこにもないわけです。
時が経てば、ルヴァンや新リッツに慣れ親しんでしまう自分がいるのかもしれないですが、どこか切ない旧ヤマザキナビスコのリッツとの別れの時でした。

総評としてはあくまでも私個人の見解ですので。
ルヴァンのしっかりした感じが一番好きだという人も多くいるでしょうし。新リッツの軽さがいいという人もいるでしょう。