12月7日より京浜急行が平日の朝のラッシュ時に全車両必ず座れる「モーニング・ウィング号」という列車を導入しました。乗車券とは別に300円の着席整理券を購入する必要がありますが、満員電車のストレスを感じることなく「必ず座れる」と言うことで話題となっているようです。
また、東武鉄道や京王電鉄でも有料で座ることができる通勤電車を導入する予定。JRでも2020年度を目標に中央線快速に2階建てグリーン車を導入すると発表しているようです。

首都圏に一極集中してしまう以上、少なくとも自分が生きている間は満員電車は絶対になくならないと思っていましたが、果たしてこの鉄道各社の取り組みが今後の満員電車解消の布石となってくれるのでしょうか?

京急が導入した「必ず座れる電車」とは?

京急が導入したモーニング・ウィング号は、平日の朝に2本運行される着席保証列車と呼ばれるもので、三浦海岸から品川・泉岳寺までの区間で必ず座って通勤できるというものです。
三浦海岸・横須賀中央・金沢文庫・上大岡駅で発売されている300円の着席整理券(1ヶ月券:5,500円)が必要となりますが、最大約1時間20分ほどの通勤時間を有意義に過ごしたいというニーズに応えた形となります。

京急を利用する乗客からは、本をゆっくり読んだり睡眠を取ったりとフルに時間を活用できるとして喜びの声があがる一方で、座席指定ではないため着席トラブルが起こるのではないかなどの懸念点も指摘されているようですね。

これに追随して東武や京王電鉄もこの必ず座れる電車の導入を決定。ネット上では、その他の私鉄各線も将来的に導入するのではないかと憶測もあがっているようです。

この鉄道各社の取り組みについては賛否両論あがっているようですが、実際のところどのくらいの期待感があるのか調査を実施してみました。

「必ず座れる電車」の取り組みには意外にも期待度は高い!

意外にも過半数以上の人が評価できるという結果に、逆に評価できないという人はわずか10%とこの取り組みに対しては好意的に感じている人が多いということが分かりました。
また、この取り組み自体が満員電車の解消に繋がるかどうかというアンケートでも、半数近く(49%)が満員電車解消に少しは繋がるのではないかと感じているようです。

この結果の表れは、半ば諦めかけていた満員電車問題において藁にもすがる思いなのかもしれません。
私自身、この報道を知った時は問題点を指摘しつつも、心の中ではもしかしたらという小さな期待は芽生えていました。

実は、今回のこの鉄道各社の「必ず座れる電車」の導入は鉄道会社が収益性を高めることが狙いだと言われています。しかし、将来的に満員電車解決のための設備投資に回る可能性があるのであれば確かに期待したくもなります。

満員電車解消のために広く意見を求めてみた

首都圏で働くサラリーマンならば、誰もが満員電車を解消してほしい、もっとあの時間を有意義に使いたいと切に願っていることでしょう。
現実問題として厳しい壁があるのは重々承知の上で、一般モニターさんに満員電車を解消するためのアイデアを聞いてみました。

以下が、多くあがった意見です。

運行本数を増やす、車両定員を増やす

単純に鉄道各社がもっと本数を増やせば解決できるんじゃないかという意見。

  • 運賃を上げ、運行本数の増加や車両編成の増加を行う。(40代男性)
  • 車両の受入れ人員を増やすしか方法はない(60代男性)
  • 2階建てなど(30代男性)

一極集中の解消

首都圏に集中してしまう経済を分散すれば自然と解消するだろうというもの。

  • 長期的に東京の一極集中を無くす。(30代男性)
  • 都市部に人が集まっているかぎりは、解消は難しいと思う(30代女性)

企業側の努力(フレックス制の導入など)

民間企業などが、フレックス制や在宅勤務などの制度を促進すればよいという意見。

  • 時差出勤など企業側の取り組みも必要だと思う。(40代男性)
  • 在宅勤務をもっと普及させる。(40代女性)

こうやって見てみると、満員電車解消には鉄道会社よりも国や行政そして民間企業に率先して対策を取ってほしいということがうかがえます。
民間企業では、実際に本社を首都圏から地方に移すなどの取り組みを実施している企業も多くありますが、まだまだ根本的な解決は難しそうです。
今年、楽天が二子玉川に本社を移しましたが、これによって田園都市線や大井町線の混雑がより加速するのではと危惧されていました。その他の影響もあるので、実際に楽天の移転がどう影響したかは未知数ですが、もし単純にあのギュウギュウ満員電車に数千名の従業員たちが押し寄せたら、それは地獄でしょうね。

我々が働いている間に満員電車が解消するのは難しいでしょうが、将来的には、自分の子供や孫が働く時までには、何とかならないものかと願ってしまうのは私だけでしょうか。

ドリームニュース

【調査概要】
調査方法:ドリームニュースモニターアンケート
対象:日本全国10~80代男女427名
調査期間:2015年12月10日~2015年12月13日

サムネイル画像出典:By Marcin Wichary from San Francisco, U.S.A. ((no file name)) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons