『国税資金支払命令官』から「郵便はがき」が届いた件何ということもない普通の人生。
大学を出て、一応ベンチャーといわれる会社に入社し、それなりに出世し、そこそこの給料ももらい、なに不自由ない三十ウン歳。

新元号「令和」が発表されて間もない2019年4月某日、そんな平凡な筆者のもとに一通の「郵便はがき」が届いた。
『国税資金支払命令官』から「郵便はがき」が届いた件

『国税資金支払命令官』から“はがき”が…

▼なんとなく目を通すと、そこには『国税資金支払命令官』の文字が!
『国税資金支払命令官』から「郵便はがき」が届いた件 国税…支払命令…税務署長…。どういうことだ…。支払命令って、私は何かしでかしたのか?

確定申告のミス!? 脱税容疑!?

とにかくこれを見た筆者は、心臓バクバク。
「え!? 俺なんか悪い事した?」
「確かについこの間確定申告したけど…。」
「確定申告をミスって追加徴税か!?」
「まさか脱税を疑われているのか? なにも隠してないぞ!」

そんな自問自答が頭の中で繰り返される。

筆者は自分で確定申告の作成をサポートしてくれるサービスを使用し、見よう見まねで資料を作成して確定申告をしています。もう5回ほど確定申告していますが、『国税資金支払命令官』からはがきが届いたのは初めてのこと。

また、確定申告の内容には問題はないとは思っていますが、これまで税理士さんに委託したり、相談したりしたことはないので多少の不安は常に持っている状態。

そんな中、突然『国税資金支払命令官』である税務署長名義で郵便はがきが届いたのです。冷静でいろというのは無理な話。

『国税資金支払命令官』からの“はがき”を恐る恐る開封してみた

不安な気持ちがあふれて開封できないまま、かれこれ20分が経過。

これ以上税金払いたくない…。俺がなにか悪い事したのかよ…。なんで支払わなければならないんだ…。俺の身に何が起こっているんだ…。

でもこれをずっと読まずにいるのも気持ち悪いし、支払期日が遅れてさらに追加徴税なんかされたら堪ったもんじゃない。

ということで、意を決して『国税資金支払命令官』からの「はがき」を開封してみました。





オープン!
『国税資金支払命令官』から「郵便はがき」が届いた件

\国税還付金振込通知書/

『国税資金支払命令官』から届いた“はがき”が「国税還付金振込通知書」だった件

なんやねん!
なんと、『国税資金支払命令官』から届いた“はがき”の正体は、「国税還付金振込通知書」でした。

つまり「お金を払え!」というわけではなく、「お金を還すね♡」だったということ。

なんだ、驚かせないでくれよ…。あの不安でいっぱいだった時間を返してくれ…。

「ふるさと納税」が原因

確定申告したばかりなのに自分でもすっかり忘れていたことが一つ。

前年から「ふるさと納税」を始めたということ。

「ふるさと納税」をすると、地域の特産品の他に「還付金」を受け取れるのですが、その還付金を支払いますよっていう通知が今回のはがきだったわけです。

現金で1万数千円戻ってくるらしく、大変ありがたいことでございます。

『国税資金支払命令官』という名前は変えたほうが良い件

一通の郵便はがきから始まった、今回の『国税資金支払命令官』事件。

雑な解釈ですが、つまり『国税資金支払命令官』というのは「納税者に対して“払え”と命令する」わけではなく、「国に対して“払え”と命令する」役割を担っているということになりますね。

調べたところ『国税資金支払命令官』は納還付金等の支払事務を行う命令機関とのこと。逆に国税の徴収を担当している命令機関には「国税収納命令官」があるようです。
いずれも、国税局長、税務署長、税関長等が充てられていて、そのため、今回筆者のところに届いた“はがき”にも『国税資金支払命令官』である税務署長の名があったわけです。

何も知らない人に、「国税支払命令」なんて書かれたはがきが突然届いたら誰でも困惑しますよね。「還付管理官」に改名するとか、そもそも“はがき”の表面に「還付金通知書」とか書いてくれれば良いのに…。

とにかく私と同じように『国税資金支払命令官』から郵便はがきが届いた場合でも安心して開封してください!