病院を初めとする医療機関において、携帯電話やスマートフォンはどこまで利用が許されているのか?電源をオフにしないといけないのか?

私ごとですが、先日コンタクトを買いに眼科を訪れたときのこと。年末もあってか待ち時間は1時間ほどと言われるも、仕方がないので待合室でスマホをいじりながら待っていました。
診察に呼ばれる人や会計の人などで人が入れ替わり立ち替わる中、ふと私の横に座った60歳前後の女性。
時折、女性からの視線を肌で感じつつも無視してスマホでゲームをしていたら、その女性が突然言いました。

ここは病院なんだから電源切りなさい!

予想だにしなかった女性からのカウンターアタックにちょっと動転・・・
実は、待合室でのスマホいじりはどことなく引け目を感じていた自分がいました。なので謝罪しつつ慌てて電源オフにしてポケットにイン。
その後、暇になったので待合室を見回しているとある一つの張り紙に目が止まりました。

待合室での携帯(スマホ)の利用はマナーを持って」的な張り紙が。

決して、電源をオフにしろとは書いてありません。もっと言えば、捉え方によっては通話でさえも周囲への配慮があれば大丈夫ですよ的な内容でした。

これは実際どういうことなのか?
現在の病院での携帯・スマホ利用のルールと我々の間に認識の違いがあるのではないかということで調査してみました。

待合室や廊下などは通話もOKの指針が発表されていた

一時期は、携帯電話から発せられる強い電波が問題となり、精密機械を扱う医療機関、航空機、電車などは軒並み携帯電話の電源を切るように促すようになりました。
この流れがあるため、今でも病院内では基本的には携帯・スマホはあまり大っぴらに触れないイメージがある人も多いかと想像します。
現状、通話はさすがにしないけれどもメールやアプリなどは他の人もやってるし大丈夫なんだろうなと、なあなあになっているのではないでしょうか。

実は、平成26年に電波環境協議会が「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」というものを発表しています。
電波環境協議会は総務省など関連省庁、大学教授、業界団体などにより構成された協議会です。

この指針では、現在は携帯電話の電波出力の低下、医療機器の性能向上などの理由から医療機関での携帯・スマホの利用をある程度緩和していきましょうよということになっています。

あくまでも指針なので、最終的な判断は各医療機関に委ねられることになるのですが、「今はそんなに気にしなくて大丈夫だから目安として使ってね」的なものです。

結論から言うと、現在の医療機関はこの指針を基にルールを決めていて、ほとんどの病院の待合室では携帯・スマホの電源は切る必要もなく、メールとかウェブサイト閲覧するくらいなら問題ない状況にあるということ。
もちろん、大勢の人が集まる公共の場なので、常識的な問題として通話は禁止しているところが多いです。

病院の待合室でのみんなの携帯・スマホの状態は?

さて、みなさん病院の待合室での携帯・スマホの利用についてはどうしているのでしょうか?
待合室での利用状況についてアンケート調査を実施してみました。

病院の待合室において、完全に電源をオフにするという人は17.6%マナーモードで極力使用しないようにするという人が40.8%と半数以上の人が意識的に携帯・スマホを触らないようにしています。

一方、通話もメールもするという人は11.1%通話はしないがメール・ウェブ閲覧のみは25.5%となっています。

いくら緩和されているとはいえ、やはり病院の中では大々的には触りずらいという潜在意識が心の中にあるということでしょうか。

しかし、今回の私の経験のように、世の中には病院の待合室は携帯電話やスマートフォンは禁止と頑固に考えている人が多くいるのも事実です。

病院の待合室では携帯・スマホ禁止派が今も存在している

今回のアンケート調査では、病院内での携帯・スマホの利用に関して広く意見を聞いてみました。
その中では、病院においては病室であろうと待合室であろうとも携帯・スマホの利用自体を禁止したほうがよいと主張している人も多くいるということが分かりました。

  • 医療機器に影響が出るので、使用している人はおかしいとおもう(20代女性)
  • (緩和されたとしても)それでも使用は極力控えるべき。本当はマナーに問題があるから制限されているのだから。(40代女性)
  • 極力、指定された場所でのみ使用することを心がけている。 特に医療機関では、人命に関わることが起こりうるので、各自心がけることが大切だと思っている。 (30代女性)
  • 病院では電源を切るのがマナーだと思っていました。(50代女性)

指針が発表されて、各医療機関が携帯・スマホの利用について寛容になっていると言えども、こういう考えを持った人たちがいることも事実です。
この指針を知っているか知らないかという問題以前の自身の考え方なので、頭から間違ってるというのも違う気がします。

最終的にはモラルが問われる

今回の話は、今は病院の待合室では携帯・スマホをガンガン使っていいことになってますよ!とお知らせするのが目的ではありません。

先述したように、使用のルールは各医療機関ごとに決められていますので、そのルールに従うことは当然です。
もしある程度寛容な医療機関であったとしても、そこから先は個人個人のモラルの問題になるということ。

それ以前に、病院内での携帯・スマホ利用禁止派がいることも事実ですが、病院故に緊急な連絡が必要になることもあります。
今回の緩和の要因の一つにもあげられています。

電源をオフにさせるなどの厳しい制限の必要性は皆無だと思っていますが、その分社会人として一人ひとりのモラルが問われているんじゃないでしょうか。

冒頭の私がおばちゃんに怒られた話に戻りますが、このように言われた場合であったとしても「はぁ?電源切る必要ねーよ!知らないの?」なんて決して言わないようにしましょ。
大きな心を持って素直に従っておけばいいんです。

ドリームニュース

【調査概要】
調査方法:ドリームニュースモニターアンケート
対象:日本全国10~80代男女404名
調査期間:2015年1月20日~2016年1月22日