ここ数年に渡って、それこそ踊って楽しむはずのクラブが風営法の規制により踊らされている。今、日本のクラブカルチャーを守っていくためには、クラブにつきまとっているマイナスイメージを払拭していくことが重要なのかもしれない。事実、そのような団体の活動もあり昨年には改正風営法が成立しダンス営業が規制撤廃となった経緯もあります。

でも、未だにクラブは怖いところというイメージがある人は少なくないはず。
確かに、私がクラブに通っていた10年以上前は、音楽を楽しむところであると同時に、めちゃくちゃ怖いところというイメージが絶対にありました。

今回は、渋谷にある超有名クラブで10年以上前にスタッフとして働いた経験のある人物に、当時体験したちょっとアングラでデンジャラスなストーリーを聞いてみました。
引き続き、日本のクラブカルチャーを守っていくためにも、知っておくべきものとして紹介させていただきます。

もちろん、今はセキュリティやIDチェックもしっかりしているのでより安全になってきています。風営法の関係で安全な環境づくりをしないとクラブ側も経営できませんからね。
これから紹介するのはあくまでも昔話として捉えてください。

元クラブスタッフが体験したちょっと怖いアングラなストーリー

協力してくれたのは、15年程前にヒップホップをメインとした有名なクラブでスタッフとして働いていたT氏。
そのクラブに限らず、当時は音楽やダンスが純粋に好きな人間だけが集まる場所ではなかったので、トラブルに巻き込まれることも決して珍しくはなかったでしょう。それ故、未だにクラブという場所に関してマイナスイメージがつきまとうのはしょうがないことです。
実をいうと、私自身もほぼ同時期にそのクラブへ毎週のように通っていました。
ということで、今はそんなことも無くなっているという願いを込めつつ、古き悪しき時代のクラブカルチャーとして、T氏の話に私自身の体験も交えながら紹介していきましょう。

トイレで○○を吸うのはよく見る光景

○○はもちろん日本では法律で禁止されている植物ですね。アメリカでは緩和されてきているところもあると言えば、具体的に何のことかは言うまでもないでしょう。もちろん、日本では違法です。
T氏によるとトイレでは○○を吸っている輩はとにかく多かったとのこと。芸能人の薬物問題が明るみになったこともあり、クラブと薬物というイメージが出来上がってしまいました。
確かに、クラブのトイレってたまに異様な臭いがするときがありました・・・
本当に、人間の欲望が渦巻いた色々な臭いが。

1対10でも返り討ちにした格闘家

喧嘩も日常茶飯事だったというが、その中でも印象に残っているのがある格闘家の話だという。
1人でよく来ていたその有名格闘家は、ある時フロアで他のグループとトラブルに。そのまま外へ出て行き殴り合いに発展した時には相手は10人、しかも道具を持っていたそうです。

その危機的状況の中で、何とその格闘家は全員をボコボコに倒して帰って行った。
ピンポイントで的確な打撃を繰り出し、相手はほとんどが一発でノックアウトされたといいます。
その格闘家が有名になるのは、その後のことだが酒やたばこを呑んでいきがって遊び回っているだけの人間と、プロの格の違いを見せつけられたといいます。

有名ラッパーの顔が分からなかったために起きた悲劇

ジャパニーズヒップホップ全盛期の時代はインターネットの黎明期でもあったため、いくら超有名なラッパーであろうとも、顔までは分からないことがあったという。
ある日、T氏がエントランスでセキュリティに立っていると、ある男性が顔パスで入ろうとしたという。その人物は当時超有名なヒップホップグループのメンバーである。まさか、その人物があのラッパーとは思わなかったT氏がそれを制止するとそのラッパーはマジ切れ。これでもかというくらい切れられたらしい。

他にも、ある日VIPルームに勝手に入っていた一人の男性を追い出そうとしたT氏、実はその人も有名なMC兼DJであった。「俺を知らねえとはどういうことだぁ?あぁん?」とものすごい剣幕だったらしい。

当時、クラブで働く者としては、関係者の顔を覚えておくことは自分を守る術として必須だったのである。

何故か怖い方に連れ去られそうになったことも

クラブはいろんな人が出入りする場所であり、その中には怖い組織の方々も多かった。もちろん、普通に遊んでくれるのであれば何も問題はないが、ある日、T氏がトイレ掃除をしていると、訳も分からずいちゃもんをつけられどこかに連れて行かれそうになったという。
他のスタッフが間に入り事なきを得たというが、その方はまさにそっちの人で、クラブ自体そういう方々とのいざこざも少なくなかったという。

みだらな行為は至る所で頻発

酒も入ればテンションがあがるのは間違いないが、薄暗く人の溢れるクラブの中は至る所でみだらな行為にふける不届き者がいたという。
トイレで行為をしている男女もいれば、スタッフ控室に侵入してやっている連中も。中にはフロアのど真ん中でかます外国人もいたというから驚き。
まぁ、ちょっとだけ羨ましい気もするけど、思わぬ犯罪に巻き込まれる可能性もあるので止めましょう。
フロアの人混みのどさくさに紛れて痴漢してる変態はいっぱいいましたけどね。

1人の黒人vs大勢のセキュリティ

これは、私が実際に見た光景です。
午前3時過ぎに疲れてクラブから出た際、ちょうどエントランスで数人が揉めていた。見てみると、クラブに入ろうとする1人の黒人に数人のセキュリティが必至で止めている。
後に聞くと、トラブルを起こすため出禁にしていた黒人が酔っぱらって入ろうとしたため止めようとしたのだが、戦車のように突っ込んできて喧嘩のようになったという。
衝撃的な光景だったのは、4~5人の日本人セキュリティが黒人を抑えているのに、ひるむことなくちょっとずつ前進する黒人。突破されると思ったセキュリティがどこからか持ってきた角材で黒人の頭をバッコーン。。っておい!
血だらけになりながらも、戦う意思を貫く黒人にギャラリーを巻き込みとてつもないストリートバトル開始。最後は駆けつけた警察にも暴行を働き、ものすごい奇声をあげながら御用となっていきました。

外国人による迷惑行為もよくあったと言うが、体格が大きいため対処するのは一苦労だったらしい。

マフィアにさらわれたスタッフ

あまりにも怖い話なので詳細は割愛します・・
その経緯などは不明だが、実際に起きた話とのこと。普通にお客として楽しんでる分にはここまで危険な目に合うことは無いと言うが、こんな話を聞くと当時よく行ってたなと身震いがします。

閑古鳥が鳴いているフロアって(別のクラブ)

今までの話とは毛色が違いますが、これもある意味怖い話。
横浜の元町にあるクラブに出向いた際、エントランスから入ると何故か全く活気を感じない。時間もある程度盛り上がる頃合いのはずなのにフロアに入ってみると、えっ??人っ子一人いない。
でも、DJが回している。バーテンさんや他のスタッフもいる。
こっち一挙手一投足を全スタッフからの視線を一気に浴びながらでは何もできん!
後で知ったのは、別のクラブでビッグイベントがあったらしいが、それでもここまで入らなかったのは奇跡的な出来事。

最後に

クラブは怖いところというイメージがだいぶ先行しているようなので、ある意味開き直って昔のクラブの怖いストーリーを紹介しましたが、それと同時にクラブはめちゃくちゃ楽しいところでもあります。
冒頭でも言った通り、現在はIDチェックなども厳重になり、より安全になってきているので今まで行ったことがないという人でも素直に楽しめるのではないでしょうか。

もし、犯罪に手を染めてる場面に出くわしたり、マナーの悪い人がいたらすぐにスタッフに言いましょう!そういうのは除外!
風営法や条例に踊らされても、peaceなクラブシーンが続くことを願って