多くの人は「ちゃんぽん」といえば長崎、そして長崎ちゃんぽんといえばリンガーハットという外食チェーンをイメージするのではないだろうか。もうすでに定着してしまったそんな盤石の体制に一石を投じようと、今ある新勢力がその勢力を広げつつあります。

近江ちゃんぽん」は滋賀県彦根市で誕生したご当地グルメ。元祖近江ちゃんぽんの「ちゃんぽん亭総本家」は、彦根で創業50年以上の歴史があり、関西地区を中心にチェーン展開している近江ちゃんぽんの老舗です。
東京にも徐々に進出を果たしてきているちゃんぽんチェーンの新勢力が、既存のチェーン勢力に対抗できるほどの実力を持ち合わせているのかどうかを実食して比較調査してきました!

近江ちゃんぽんとは?

近江ちゃんぽんは、具材に豚肉や野菜を使用した麺料理であることは間違いないのですが、長崎ちゃんぽんと決定的に違うその特徴はスープにあります。
長崎ちゃんぽんのスープは、豚骨や鳥ガラをベースにしたものが一般的であり、リンガーハットのそれは白濁したコクのあるスープです。
しかし、近江ちゃんぽんは魚節と昆布を使用した和風のスープとなっていて黄金色に澄みきっています。そのさっぱりとしたスープとたっぷりの野菜を一緒に楽しめる麺料理として滋賀県では50年以上も愛されているご当地グルメなのです。

特に、近江ちゃんぽん発祥の「ちゃんぽん亭総本家」は、関西地区を中心に61店舗を展開する新勢力として成長しており、東日本にももしかしたら今後どんどんと拡大していくかもしれない新勢力として非常に注目されています。

近江ちゃんぽんを実食!リンガーハットと比較してみた。

先日、2016年6月17日にちゃんぽん亭総本家の水道橋店がグランドオープン。東京には今現在は2店舗あり、首都圏のビジネス街での出店は初だという。

ちゃんぽん亭総本家のおすすめは、もちろん元祖オリジナルの「近江ちゃんぽん」。そして、二代目が考案したという「豚そば」。
今回は、オーソドックスな「近江ちゃんぽん」を実食です。

その見た目は、正直タンメンのように見える。
具材にはもやし、キャベツ、ニンジン、ニラ、きくらげなどの野菜と豚肉がのっかっているが、長崎ちゃんぽんと違い魚介系の具材(エビやかまぼこなど)が入っていません。
お店の説明通り、黄金だしのスープは黄金色に透き通っています。

下のリンガーハットのスープを比較してみると、その違いは一目瞭然!

スープを飲んでみると、昆布のまろやかな旨みが広がります。
長崎ちゃんぽんのスープとも、ラーメンのスープとも違い、関西風のうどん出汁のような味わいに近いのかもしれない。
非常にあっさりとしていてすごく美味しいのだが、このスープものすごく甘みを感じる・・・
野菜から出た甘みもあるのでしょうが、スープ自体にも何かしらの甘みを加えているんじゃないかと勘ぐってしまうくらいに甘く感じるんですが・・・自分だけでしょうか?

麺は平均的な中太ストレートのちゃんぽん麺。リンガーハットの麺と比較すると、若干強くちぢれが入っている感じもするが、ほぼ大きな違いはないようです。

▼こちらがリンガーハットの麺

本当にさっぱりしているためスルスルっと入っていきます。
初めにタンメンのような見た目だと言ったんですが、塩の強みが際立ったタンメンとは全く違う食べ物であることは断言します!

途中まで食べ進めたら、おすすめの食べ方として推奨されている酢を入れて食べてみましょう。

うん。まあ予想通り。
スープの甘みと酸味が合わさり、さっぱり食べたい女性にはおすすめかもしれないが、個人的には入れないほうが美味しく食べられると思います。

長崎ちゃんぽんのリンガーハットと比べてみるならば、近江ちゃんぽんは全く違う食べ物といっていいほど味も違います。
濃厚でコク深いリンガーハットよりも、あっさりまろやかな和風だしを味わいたいのであれば、近江ちゃんぽんはおすすめかもしれません。

結論。リンガーハットはまだまだ強い?

今回、初めて近江ちゃんぽんなるものを食べたが、個人の意見としては正直そこまで強いインパクトを残すものとはなりませんでした。
もちろん近江ちゃんぽんも美味しかったことには違いないのですが、逆にちゃんぽんチェーンの不動の帝王であるリンガーハットのすごさを改めて実感してしまったのです。
味については好みがありますが、「近江ちゃんぽん」という名を冠してしまった以上は長崎ちゃんぽんと比較されてしまうのは至極当然なわけであって、これが素直な感想です。
もしかしたら、ちゃんぽんの名を冠していなかったらまた違う受け止め方をしていたのかもしれませんが。

関東エリアでは、「ちゃんぽんと言えば長崎」というイメージを覆すのはまだまだ先のことでしょう。