今や、日本だけでなく海外諸国でもメジャーとなったとんこつラーメン
そんな、とんこつラーメンの草分け的存在が「一蘭」だ。カウンターに「仕切り」を作り、ラーメンに集中する環境を作りあげたことでも有名。

そんな、とんこつラーメン一本で福岡から世界へ羽ばたいた一蘭が2019年2月28日にオープンさせたのが、「100%とんこつ不使用ラーメン一蘭 西新宿店~発祥の店~」。
なんと、とんこつ(豚)を一切使用しないラーメンを提供するというのだ!

一蘭「100%とんこつ不使用ラーメン」

20年の開発期間を要して、「既存のとんこつラーメンと同等レベルのクオリティ」まで達したということですが、鶏を使用しているというだけで、その他の食材として何が使われているかは公開されていない模様。
どれほど、一蘭のあの味を再現しているのだろうか?
早速、食べに行って確かめてみることにしよう。

一蘭「100%とんこつ不使用ラーメン」とは?

一蘭が、とんこつを一切使用しないラーメンを作るきっかけとなったのは、「宗教上の理由などから豚を口にできないが、日本文化の一つであるラーメンを食べたい」という声が数多くあったということが大きな要因。
ただ、いわゆる「ハラール認証」を受けているわけではなく、一蘭としては「ノーポーク ラーメン」として打ち出しています。

店舗は、東京の西新宿に。外国人観光客も多く訪れる「新宿」という土地を発祥の店として選んだとのこと。

店舗は緑色を基調としたデザインで統一されています。「とんこつ不使用」、「No Pork」の文字が至るところに書かれているので、通常の一蘭と勘違いをして入店してしまうということはまずないでしょう。
豚を使用していないというだけで、一蘭独自のシステムは変わらず。仕切りされたカウンター、オーダー用紙に麺の固さなどのお好みを記入して渡すオリジナルシステムは健在。

とにかく、豚を口にすることが出来ない人であっても、安心してラーメンを食べられるという一蘭の中で唯一の店舗となっています。

実際に「100%とんこつ不使用ラーメン」を食べてみた

とんこつ不使用ということになると、「鶏メインで牛骨等をも使われているのだろうか?」、「鶏だけでとんこつのあのコクが出るだろうか?」などと憶測を立ててみたが、所詮は素人の戯言なので黙って食べることにしましょう。

その前に、本家一蘭のとんこつラーメンをおさらい

とんこつ不使用ラーメンを食べる前にどうしても確かめておきたかったのが、一般的に提供されている一蘭のとんこつラーメン。
何せ、少なくとも数年は食べていない。一蘭のスープがどのような味わいだったのか今一度確かめておく必要があります。
ということで、同じ新宿にある新宿中央東口店に先立って訪問。

▼オーダー用紙にはすべて「基本」に〇をして注文
一蘭

一蘭スープ

一口飲めば思い出す一蘭の味、本場博多ラーメンとも違う一蘭独特のコク深いのにどこかあっさりとしたスープ。
この味わいをとんこつ不使用で再現しているというのならば確かにすごい。

実食「100%とんこつ不使用ラーメン」(比較画像あり)

先述した通り、この西新宿のとんこつ不使用ラーメンの店舗も、カウンター仕切りやお好みのオーダー用紙など一蘭のシステムは踏襲。

入店してすぐ横にある券売機で食券を購入するのですが、そこでまず驚いたのがその価格・・・。

ラーメン1杯1,180円!!!

ちょっと目を疑います。
トッピング全部盛りとかではありません。純粋なラーメン1杯の価格が1,180円となっているんです。
通常の一蘭のラーメンが890円なので、それよりも290円程高い価格設定。

ラーメン1杯で1,000円を超えるとなると、気軽にラーメンを食べに行くという感じではなくなる。外国人観光客だけでなく日本国内の需要を取り込むには、さすがにこの価格帯では厳しいのではと考えてしまいます。

何はともあれ登場した「100%とんこつ不使用ラーメン」がこちら。(先ほど同様、お好みはすべて基本)

一蘭「100%とんこつ不使用ラーメン」

一見すると、通常の一蘭とほぼ変わらないラーメンが登場したように感じる。
ただ良く見てみると、若干とんこつ不使用ラーメンのほうがスープが澄んでいるのが分かります。

見た目の違い程度であれば比較しなければ分からない程度の差異なのかもしれないが、私は丼が目の前に置かれた刹那にある違いに気付いた!
通常の一蘭のラーメンからは感じることのない、ほのかにチキンブイヨンのような香りが鼻を突いたのである

一蘭「100%とんこつ不使用ラーメン」

スープを飲んだ瞬間は確かに一瞬戸惑った・・・。
口の中に広がる風味と舌ざわりが、確かに一蘭のとんこつラーメンの味を思い出させるものがあったから。
だが、良く味わってみるとその違いが表れてきます。

あくまで筆者個人の感想ということを前置きしておきますが、鶏をメインにしたスープに香味野菜などその他の食材を組み合わせたのではないかと推測。

とんこつが持つパンチのあるコク旨感が感じられないということに気付く人は気付くだろう。
一蘭のとんこつラーメンとは似て非なるものとして断言させていただくが、何も知らなければとんこつラーメンとして疑わないで食べてしまう人がいる可能性も十分にあります。

▼写真を比較してみれば、その違いは明らか。

最後に付け加えておくが、ラーメンとしての完成度はかなり高い
さすが20年の開発期間というべきか、生半可では出せないプロのラーメン職人の熱意が伝わってくる1杯になっています。
「とんこつラーメンにどれだけ寄せられるか」は抜きにして、一度味わってみて損のないラーメンであることは間違いないでしょう。

▼チャーシューの代わりに入っているのが牛バラ肉を煮込んだ牛弥郎(ぎゅうやろ)
牛弥郎(ぎゅうやろ)

100%とんこつ不使用ラーメン一蘭 西新宿店~発祥の店~
住所:東京都新宿区西新宿7丁目10‐18 小滝橋パシフィカビル1F
営業時間:24時間
H.P:https://ichiran.com/np/